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ハイスピード と紙と譜面ポテンシャルのお話

甲:ハイスピードって知ってるかな?
乙:オブジェが速く落ちてくるオプションで、ビーマニシリーズでは beatmania5thMIXで初めて導入されたんですよね。素早く反応して押さな きゃいけないから難しそう…。
甲:君は歴史には詳しいくせにゲームの実情を知らないね(笑)。確かに初心者に とっては速いことすなわち難しいことだから、そこに限ればあながち間違いと いうわけでもないんだが。
乙:すいません嘘つきました。いつもハイスピード(HS)3でやって ます。
甲:ふむ。そういう人が多いみたいだね。ではそれはなぜ?
乙:えーと…ニュータイプ気分が味わえるからでしょうか? 「見え る、見えるぞッ!」みたいな。
甲:誰のマネかね(笑)。それもあるだろうが、他にも理由はあるだろう?
乙:えー…オブジェの間隔が広がって見切りやすくなります。
甲:そう、それだ。ところで君の苦手な曲は何かね?
乙:そうですね…9 o'clocks[a]とか、I can fly,I've got reason[a]とかでしょうか。
甲:さりげなく[a]をつけるところに自己主張を感じるぞ(笑)。どうやら君は典型的なHS中毒のようだね。
乙:先生! そのHS中毒ってなんですか?
甲:俗に言うHS中毒とは、HSをかけてプレイすることに慣れすぎて、遅い譜面がさっぱりできなくなることだ。
乙:まさに僕のことだ…。遅いんだから簡単なはずなのに、何でかな。
甲:それは遅いから難しいというよりは、オブジェ間隔が詰まっているから難しいと感じるんだ。
乙:そうですよね! ああ、9 o'clocks[a]が倍のBPMで降ってくれば楽勝なのに…。
甲:そんなことはないぞ。あの譜面のまま倍のBPMで降ってきたら、今の倍くらい難しくなるはずだ。
乙:え…何でですか?
甲:
BPM を倍にしつつ譜面ポテンシャルを同じに保つには、譜面の密度を半分にしないといけないだろう?
乙:そうなんですか…。
甲:譜面サイトや家庭用のトレーニングモードで見てみるとわかると思うが、速い曲は意外にスカスカな譜面だったりする。それでも難しいのは速いからなん だ。…なんだかよくわからない説明になってしまったな。
乙:あ、あれですか。BPM100の16分はBPM200の8分に相 当するとかいうやつ。
甲:そうそう、それだ。だから遅い曲が難しいっていうのは、いわば気のせいであるといえるね。
乙:気のせい、ですか…。
甲:そう。試しにHS2+SUDとオプションをつけて、君の苦手な
9 o'clocks[a]をやってごらん。
乙:SUDですか? サドゥンなんてつけても意味ないと思うんですけ ど…。
甲:まあやってみなさい。

乙:……見える、見えるぞッ! あの万里の長城の如く高き壁として立 ちはだかっていた
9 o'clocks[a]がまるでゴミのように蹴散らされていくぅぅぅッ!
甲:君テンション高いね…どうでもいいけど万里の長城は長いけどそんなに高くないぞ…。
乙:いやー、爽快でしたよ。でもなんでSUDなんかでこんなことにな るんでしょうか?
甲:うむ。HSというのはオブジェの間隔を広げる効果があると君が言ったが、それはつまり画面内のオブジェの数を少なくするということでもある。そこで、 オブジェ間隔を広げるのではなく画面の上下の幅を狭くしてしまえば同様の効果が得られる、ということに気づいた人がいたんだな。
乙:なるほど、実はSUDとHSは同様の効果を持っていたんですね。
甲:じゃあ次はこの曲をやってみよう。(MAX 300を選択)
乙:BPM300とは速いですね…。
甲:君はHS3をいつも使っているそうだから、HS1でちょうどいいぐらいかな?
乙:…HS1でもめちゃくちゃ速いですね。もうちょっと遅いとちょう どいいぐらいです。
甲:そこで更なる秘密兵器があるのだよ。
乙:サドゥン…はやっぱり速すぎてだめだ。じゃあ…ヒドゥンですか?
甲:確かにHIDを使うとやりやすいという人もいるようだが、もっとわかりやすい方法がある。ヒントは既存のオプションに縛られないことだ。
乙:えー? わかりませーん。
甲:あきらめの早いやつだな。…答えはこれ。(画面の上1/3ぐらいを紙で隠す)
乙:なんのおまじないですか?
甲:この状態でMAX 300をノーマルスピードでやってみよう。

乙:お…なんかちょうどいい感じですね。譜面が普通に難しくて僕には クリアできませんけど。てへっ☆
甲:そう。これがSUDを応用した「紙」と呼ばれるテクニックで、これをうまく使えばHSが合わないという悩みとは縁がなくなるだろう。紙のほかにも、タ オルや下敷きを使ったりするようだな。
乙:でも…これゲーセンでやるの恥ずかしいんですけど。なんか怪しげ じゃないですか?
甲:家でやる分には大丈夫だ。それに君が思うほど、周りの人は君のことを見ちゃいないものだ。
乙:それもさびしい話ですね…。誰か僕を見て下さい…。
甲:まあ、君のように感じる人も多い。それから、紙のような外部装置を使うのはルール外だと思う人もいる。だから、紙をみんなが使うものだと思って日常会 話を交わしていると、思わぬ行き違いが起こるかもしれないぞ。
乙:気をつけます。

甲:ところで、紙にはSUDにはない特殊な使いみちがあるんだ。
乙:鼻でもかむんですか?
甲:文脈を考えたまえ。ビートマニアをやっていていつ鼻をかむというのだ。
乙:えーっと…。
甲:…君はこの曲はできるかな?
乙:
fun[a]ですか。これ譜面が難しい上にBPM変化が激しくて、ずっとゲージ が上がらないんですよね。
甲:じゃあ紙を使ってみよう。
乙:え、でも遅いところはそれで見えるようになるとしても、速いとこ ろはますます追いつけなくなるんじゃ…。
甲:まあまあ、とりあえずやってみよう。HSは2ね。横で見ていてあげるから。
乙:はあ…。
甲:さすが、低速地帯は好調だね。
乙:もうすぐ高速になるんで話しかけないで下さい! 緊張するぅ…。
甲:(高速地帯突入、紙を外す)
乙:あ、これなら見えますよ!

(その後、低速地帯であっという間にゲージは2%になり、終了)
甲:この曲の最難所は2度目の低速地帯だといわれるからね。仕方ない。
乙:しかしそこまでは80%以上を維持してましたよ。こんなの初めて です。紙ってすごいですね。
甲:うむ。あまり実戦投入できる場面は多くないが、BPM変化に対応できるのも紙の利点だ。ちなみにインターネットランキングに登録するときなどは、今の 君のように他人に紙をつけたり外したりしてもらってはだめだぞ。一人でやるべきゲームを二人でやっていることになるのだから、まぎれもない不正行為だ。
乙:紙のつけ外しを極めればもうBPM変化の激しい曲も怖くありませ んね。 BPM変化に惑わされず、純粋に譜面ポテンシャルを相手に挑むことができますよ。
甲:しかし、それでいいのだろうか?
乙:は?
甲:BPM変化は譜面製作者が意図して仕掛けたものだ。それを回避するというのは、その譜面の趣旨を歪めることなのではないか?
乙:確かに、捨てオブジェやあんみつのようなウラ技っぽい感じがしま すね。でも、そういう遊び方をする人がいてもいいじゃないですか。
甲:まあ、遊び方は個人の自由だからな。だが、「fun[a]なんて、紙をつけたり外したりすれば難しくない」などと評価するのは、なかなか受け入れがた いものがある…。
乙:紙のつけ外しの技術とか、普通ビートマニアと関係のない技術が問 題になったりしますしね。
甲:急にものわかりがよくなってきたな。
乙:きっと筆者がボケを考えるのに疲れてきたんですよ。
甲:楽屋オチとは感心しないな。